
水溶性食物繊維の不足が肥満の原因
突然ですが、質問です。「現代人の食事の根本的な弱点」はなんだと思いますか?。
・脂肪が多いから?
・糖が多いから?
・摂取エネルギーが過剰だから?
残念ながら、どれも違います。
食事の根本的な弱点は、「食物繊維、特に水溶性食物繊維の不足」です。
食物繊維は「便秘の解消効果」がよく知られていますが、より深く重要な働きがあります。それは、腸で分泌される「GLP−1」というホルモンの分泌を促すことです。
GLP −1は、食欲のコントロールに深くかかわり、「やせるホルモン」として注目されています。
GLP −1の分泌を促す食品として、多くの医者、医療従事者が勧めるのが「朝食としてとるオートミール」です。
「水溶性食物繊維は、野菜や果物、海藻でもいいんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。しかし、野菜や果物、海藻などは、糖質が足りないのです。
オートミールが優れている点は2点!
①水溶性食物繊維が豊富で、適度な糖質もとれる
②水溶性食物繊維が血糖値の上昇を抑制し、その効果が次の食事まで持続する
②については後で詳しく説明しますが、朝の忙しい時間帯に、手軽にとれる単品食で、この条件を満たすのがオートミールです。

適度な糖質はダイエットの味方
「糖質」と聞くと、「ダイエットの敵」と思う人もいるでしょうが、それは「糖質制限信仰」が生んだ大きな誤解です。
糖質は敵どころか、食物繊維と同時に適量とることで「やせ効果」を増幅させる、ダイエットの味方なのです。
私が取材した医師は、数年前に糖質制限を実行し、患者さんにも指導していました。
それにより、やせて血糖値が下がる人が続出したものの、多くの患者さんは半年ほどでリバウンドしてしまったそうです。
また、その医師本人も3年ほど続けましたが、続けるうちに朝の血糖値が徐々に上がっていったそうです。
しかも、ちょっと糖質をとっただけで、血糖値が跳ね上がるようになったようです。これは、糖質制限によって、糖の処理能力が下がった結果でしょう。
糖質制限はやせはするものの、細い体におなかだけがポコンと出たみすぼらしい体つきになってしまいます。
さらにその医師は、模索して、体づくりの達人であるボディービルダーたちが、オートミールを活用していることを知りました。そこからオートミールのことを調べ始め、ダイエットや健康づくりに、最強といえる食品であることがわかったのです。
意志が弱くても食欲をコントロールできる
それでは、なぜオートミールを朝食べるとよいか、その理由を説明します。
朝食でオートミールをとると、そのときだけでなく、次回の食事(昼食)でも血糖値の上昇が抑えられ、食べ過ぎを防げるようになります。
これは、水溶性食物繊維と、それによって刺激される腸内細菌の働きによる現象で、「セカンドミール効果」と呼ばれます。ですから、朝、オートミールを食べておくと、その効果は昼食にも及び、楽に食欲コントロールができるのです。

しかも、夕食では好きな物を食べても、体重が増えたり、体形がくずれたりすることはありません。
ダイエットに失敗してリバウンドをくり返す人は、「意志が弱いから食欲に負ける」とよくいいますが、それは意志の問題ではありません。
朝、水溶性食物繊維と糖質を十分にとっていないため、「やせホルモン」であるGLP −1がうまく出ていないからです。
朝食でオートミールをとるだけで、この問題は解決します。
朝食では、オートミールに牛乳をかけて、バナナや季節の果物をトッピングして食べることがおススメです。
作るのが非常に簡単で美味しいです。
オートミールを使うと、食欲と体重のコントロールが楽で、結果も出やすいです。
その感動を、ぜひあなたも味わってください。